秋の防水改修 ~落ち葉によるドレンのつまりにもご注意を~

こんにちは。

当社は長年にわたり、屋上やバルコニーを中心とした防水改修工事を手掛けてまいりました。


今回のブログでは、秋の防水工事がなぜ重要なのか、そしてこの時期特有の「落ち葉によるドレンのつまり」について、事例と対策を交えて詳しくご紹介いたします。


1. なぜ秋は防水改修に適しているのか?


秋は、気候・気温・湿度のバランスが取れた理想的な改修シーズンです。特に関西エリアの秋(10月〜11月)は、以下のようなメリットが挙げられます。


・気温と湿度が安定し、材料性能を最大限に発揮できる


防水材の多くは「温度と湿度の影響」を強く受けます。たとえばウレタン系やシート系防水材は、気温が極端に高すぎたり低すぎたりすると、硬化不良や接着不足などの問題を引き起こす恐れがあります。秋の20℃前後の安定した気温は、これらの施工リスクを軽減してくれます。


・台風・梅雨が明け、天候が安定しやすい


夏から秋にかけての台風シーズンが終わると、晴天率が高まり、長期的な施工スケジュールも立てやすくなります。防水工事は雨天や強風時には施工できないため、「工期の遅れ」を回避できるのも大きなポイントです。


・年末に向けたメンテナンス需要にも対応可能


秋に工事を完了させておけば、冬場の厳しい気象条件に備えられるだけでなく、年末年始の休業前に建物のコンディションを整えることが可能です。


2. 落ち葉によるドレンの詰まりとは?


秋の防水改修で見落としがちな大きなリスクのひとつが「落ち葉によるドレンの詰まり」です。ドレンとは屋上やバルコニーの雨水を外部に排出するための排水口のこと。建物を水害から守る重要な部分です。


・なぜ落ち葉が詰まりを引き起こすのか?


秋になると、周辺に植栽された樹木(イチョウ、サクラ、ケヤキなど)から大量の落ち葉が発生します。風に飛ばされた落ち葉が屋上やバルコニーに堆積し、それが排水経路へと流れ込み、ドレン内部に絡まりながら詰まりを引き起こします。


さらに、雨水と混ざることで葉が腐敗・膨張し、スライム状になって完全に排水を塞いでしまうことも。こうした状態が続くと、以下のような深刻なトラブルにつながります。


・落ち葉詰まりによるリスク


屋上に水たまりができる → 防水層に常時水圧がかかり、劣化が進行


雨漏りの原因になる → 建物内部へ水が侵入し、クロスや天井板、照明などを損傷


建物の構造体が腐食する → 鉄骨の錆、コンクリートの中性化など


防水層の寿命を短縮させる → 本来10~15年の耐用年数が数年に短縮されるケースも


3. 秋の防水改修における施工ポイントと注意点


秋に防水改修工事を行う際には、一般的な施工手順に加えて、季節特有の環境への配慮が必要です。


・① 施工前の徹底調査


防水層の劣化具合のチェックはもちろんのこと、ドレン周辺の落ち葉堆積や、排水経路の状態も調査対象に含めます。実際に水を流して、排水がスムーズに行われるかもチェックします。


・② 下地処理と排水勾配の確保


古い防水層を剥がすと、コンクリート下地が露出します。この時点で重要なのが「排水勾配」の確認。排水方向に向かって適切な傾斜がない場合、水がドレンへ流れず滞留してしまいます。傾斜が不十分な場合は、モルタル等で調整を行います。


・③ ドレンの洗浄と防葉措置


高圧洗浄機や手作業により、ドレン内の汚れ・異物・落ち葉などを徹底的に除去。その後、「ストレーナー(ごみ受け網)」や「防葉ネット」を設置し、再発を予防します。


・④ 適切な防水材の選定


屋上の使用頻度や歩行有無、勾配の有無により、ウレタン塗膜防水、シート防水、アスファルト防水など、最適な材料を選定します。たとえば、人が頻繁に通るバルコニーには耐摩耗性の高い仕様が必要です。


・⑤ 天候の変化に柔軟に対応


秋は日中と夜間の気温差が大きく、朝露や夜露によって下地が湿ることがあります。そのため施工時間を午前10時以降に設定したり、前日の天気予報をもとに計画を調整するなどの対応が求められます。


4. 実例紹介:落ち葉詰まりによる被害と対応策

◆ 事例①:屋上排水口の詰まりで天井から雨漏り


神戸市中央区のある商業ビルで、秋の終わりに天井からの雨漏りが発生。調査を行ったところ、屋上ドレンが落ち葉で完全に詰まり、屋上に10cm以上の水が溜まっていました。その水が笠木の隙間から室内に流れ込んでいたのです。


【対応策】


屋上全体の落ち葉を清掃


ドレン内部にストレーナーを新設


防水層の端部を補修・シーリング強化


排水勾配を再調整し、水の流れをスムーズに改善


◆ 事例②:ドレン周囲の防水が膨らみ、内部で剥離


兵庫区内の集合住宅では、雨水がドレン周囲に滞留し、ウレタン防水が浮き上がって膨らんでいました。内部に水分が入り込んでいたため、張替えが必要な状態に。


【対応策】


防水層を一度撤去し、下地から再施工


ドレンをステンレス製に交換し耐久性アップ


ストレーナーを設置し、落ち葉対策を徹底


5. 落ち葉対策の具体的な実施方法


落ち葉によるドレンのつまりを防ぐためには、以下のような対策が効果的です。


◎ ストレーナー・防葉キャップの設置


市販のステンレス製やプラスチック製のストレーナーをドレンに設置することで、葉やごみが直接流れ込むのを防ぎます。施工時に合わせて設置することで、長期的なメンテナンスコストも削減できます。


◎ 定期的な清掃


最低でも秋の間に月2回、もしくは落葉量が多い場合は毎週清掃することが推奨されます。特に雨の前後は、水の流れを確保するために重点的に行いましょう。


◎ 建物周囲の植栽管理


建物周囲に植木が多い場合、定期的な剪定により落葉量をコントロールすることができます。屋根やバルコニーに風で吹き込む前に対策しておくことが重要です。


6. 株式会社ミウラ工業の強み


当社は神戸市兵庫区に拠点を置き、関西一円の改修工事を多数手がけてまいりました。秋の防水改修においても、多くの実績とノウハウを持っています。


現場ごとのカスタム提案

 建物の立地、用途、利用状況を総合的に判断し、最適な工法・材料を提案します。


アフターサービスの充実

 施工後の定期点検や緊急時の対応も迅速に。地域密着ならではのフットワークで対応します。


ドレン詰まり対策のノウハウ

 過去の事例から、落ち葉対策・排水設計の最適解を提示。将来のリスクを未然に防ぎます。


7. まとめ ~秋は防水改修と排水点検のベストタイミング~


秋の防水改修は、施工条件が整いやすい絶好の機会です。

しかし同時に、落ち葉の増加によるドレン詰まりや排水不良という、見えないリスクにも目を向けなければなりません。


「防水改修」+「排水ルートの見直し」+「落ち葉対策」

この3点をセットで実施することで、建物を長期間にわたって健全に保つことができます。


神戸市兵庫区で秋の防水改修をご検討中の方は、ぜひ【株式会社ミウラ工業】までご相談ください。現場調査・ご提案・施工・アフターまで、すべて自社で責任を持って対応させていただきます。